小麦のグルテンからつくられる麩は植物性タンパク食品として、
鎌倉時代から修行僧たちに重宝されてきました。
麩は京都などの上方発の食文化ですが、北前舟の影響で
日本海側に生産地が多く、新潟でも多くの種類の麩を見かけます。
特に、「車麩」のような身がしまった焼き麩は
雪国山村の保存食として不可欠なものだったようです。
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さて、ユニークな形の「車麩」は新潟の麩の代表格。
長さ2mほどの金属棒にグルテン生地を巻きつけて直火で焼き、
その上に再びグルテンを巻いて焼く、を繰り返すもの。
これをさらに蒸してから切断、乾燥される、手の込んだものです。

その車麩を使って、「車麩の利久煮」を作りました。
利休さんが大好きだったゴマを使った一品です。
(あえて、利休煮ではなく、利久煮です)

まずぬるま湯で15分ほど漬けて、戻します。
両手で押さえて水分を取り除き、
出汁、しょうゆ、みりん、砂糖で煮ます。
5分くらい煮て味がしみ込んだところで、
練りゴマを大さじ3程度加えます。
さらに少し煮て、トロミがついたところで出来上がり。
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実はダイエットにも相応しい車麩。
もっと私たちの日常に取り入れられたらいいですね。
しばらく地味なお料理が続きますが、お付き合いください。